「崖の上のポニョ」クライマックスを迎えるラスト。
水の中?。しかしみんな息をしている不思議な空間にリサと「ひまわりの家」の利用者である老婦人たちがいます。
そこでリサとポニョの母・グランマンマーレが話をしている後ろ。ご婦人たちが「リサさんも辛いだろうねぇ」と呟きます。
「辛い」とは一体なぜ?調べてみると色々と考えられそうです。
ということで、考察していきます!
リサがいるのはあの世?
リサとご婦人方(ひまわり園の利用者)がいるのは、海底に沈んだひまわり園です。
ひまわり園の周りはグランマンマーレの力でしょうか?キラキラひかる何かで覆われていますよね。利用者のご婦人方は車椅子が必要だったのに走っている!
花壇には魚が寄ってきて、泳いでいます。まさに不思議空間。
- 車椅子のご婦人が走る
- 水中なのに息をしている
- 穏やかな雰囲気
上記だけをみると天国へきたのかな?と勘違いしてしまいそうですよね。誰も怒ったりせず、にこやか。不自由だった足は、まるで若い頃のように力強く走れる。
花壇に近寄ってきた魚たちも鮮やかでより天国感が増しているように感じます。
ですので、リサたちがいたひまわり園は、ポニョによって起こされた大雨災害によって海の底へ沈んでしまった。つまりリサたちは、あの世にきている可能性がありそうです。
しかし!完全なあの世ではないのではないでしょうか?
グランマンマーレの力によって、あの世と現世の間にいるように感じます。
グランマンマーレはリサにお願いがありましたよね。それは宗介にポニョのことを頼むこと。ポニョを人間にするためには愛する相手に愛される必要があるからです。
グランマンマーレは宗介の母であるリサにお願いをするかわりに、リサの願いも叶えたのではないでしょうか?
リサは大雨の中、ひまわり園へいくほど利用者さんたちを大切にしていました。きっとそれほど素敵な方々なのでしょう。みんな足が不自由だったりと、どこかしら生活に支障があった。グランマンマーレは、リサにお願い事をする代わりにみんなの願い事をサッと叶えてくれたのではないでしょうか?
リサが口に出したわけではなく、グランマンマーレが察して、パッと叶えてくれたのかな?なんて思います。ラストには、リサの大好きな耕一も帰ってきましたよね。あの大雨の中!
グランマンマーレは感謝の気持ちからと、リサ個人のことも気に入ったということで、みんなの願い事も叶えてくれたのかな?なんて考察します!
というわけで、宗介・ポニョがリサに再会できた場所は。。。あの世とこの世の狭間!なのではないでしょうか?
「リサさんも辛いだろうねぇ」の意味とは?
ご婦人たちが言った「リサさんも辛いだろうねぇ」には下記のような理由が考察されるのではないでしょうか?
- 宗介は5歳なのにあの世に来なければいけない
- 宗介は5歳にして地球の未来を託されたから
- 宗介は5歳でポニョの未来を背負わなければいけないから
では一つづつ見ていきましょう。
①宗介は5歳なのにリサたちがいるあの世に来なければいけないから
前章で書きましたが、リサたちがいるのは“あの世”であることをご婦人たちも感じていたのではないでしょうか?なんせ走れるようになりましたから!
そこに宗介が来るということを知ったご婦人たち。若干、5歳である宗介があの世に来るということは母であるリサからするととても辛いことですよね。
だから「リサさんも辛いだろうねぇ」というセリフだったのでは?と考察します。
②5歳の宗介に地球の未来がかかっているから
ひまわり園が海底に沈んだのはポニョが引き起こした大災害が原因ですね。災害を鎮めるためにはポニョを人間にして、ポニョが魔法を使えなくする必要があります。
ポニョの魔法で既に世界はめちゃくちゃです。しかし、誰も悲壮感漂っていないのがすごいですよね〜。水の上?ではボートのに乗った家族や、大きな船で避難している宗介の友達・クミコ。クミコは相変わらず勝気でしたね笑
ポニョを人間にするたには、宗介の変わらぬ愛が必要です。5歳にこの決断はできるのか?!とちょっと不安になりますが、だからこそリサとグランマンマーレは話をしていたのかもしれませんね。
5歳の男の子が変わらぬ愛を誓う。相手は魚で半魚人でもあるポニョ。もし、愛の近いを拒んだら世界が崩壊する状況…重い!!
ご婦人たちはこの状況をどこまで知っていたのかは不明ですが、もし知っていたら息子にそんな重大な決断をさせる状況は「リサさんも辛いだろうねぇ」という感じではないでしょうか?
③宗介は5歳でポニョの未来を背負わなければいけないから
ポニョが人間になるということは、母親であるグランマンマーレからも離れる。もう魚には戻れないということです。
また、「変わらぬ愛」が必要。5歳の男の子・宗介は純粋です。
魚のポニョも半魚人のポニョも人間のポニョも好きだと答えます。
素敵ですよね。しかし、今後何十年も愛し続けることはできるのだろうか・・・と歳を重ねた筆者としては考えてしまいますが、まさに余計なお世話ですよね…
何十年愛し続けるということは置いておいて、誰かの人生を背負ってしまったということは相当な重積なのではないでしょうか?
しかもポニョは家族ではなく、宗介を選んでいるのですから。だから、こそ宗介の母親であるリサに対して「リサさんも辛いだろうねぇ」という言葉が出たのかなと考察します。
どうでしょうか?①〜③まで以外にも捉え方はありそうですよね。さすがは宮崎駿監督!さすがはジブリ!
宗介は5歳にしてはとてもしっかりしている!子供らしいところもありながら、純粋です。半魚人のポニョにすら気持ち悪いという感情を持たずに好きと言えるのは本当に凄い。こんな宗介だからこそ、ポニョとずーっと幸せで相思相愛でいられるのかもしれません!
そうだといいなと思います。
ポニョと人魚姫は似ている?共通点は?
ポニョの設定は人魚姫と似ている部分がありますよね。それが、ポニョが人間になるための条件です。愛している人から愛されないと泡になってしまうということ。
まさに人魚姫ですね。しかし人魚姫のラストは、泡になってします。それは言葉を話せなかったため、愛する王子に助けたのは自分ですと言えなかったから。
ハッピーエンドではなかった。
ポニョはハッピーエンドです。それは子供ゆえの純粋さも関係あるのかな?と感じます。人魚姫は命を助けてくれた女性と結婚した王子。本当に助けたのは人魚姫なのに、真実の愛に気がつけなかった王子。とも捉えられますよね。
宗介は、魚でも半魚人でも好きと言い切ります。まさに真実の愛ではないでしょうか?
映画館で見た時、半魚人おポニョを気持ち悪いと思ってしまった方も多いはず…しかし、宗介はそれもポニョ。と受け入れられる懐の深い人間です。すごい…
まさに、ポニョなら全部好き!ということでしょうか?真実の愛ですね。
まとめ
「リサさんも辛いだろうねぇ」という言葉の意味を考察してきました。リサが本当に辛いのか、リサの気持ちもわかりません。しかし、素敵な家族、仲間、友人がいることは確かです。それは、宗介・ポニョにも言えることですよね。
きっと、何が起ころうとどこか楽しみつつ乗り越えていく登場人物たちなのだろうと思います。見ていて元気がもらえますね!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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