千と千尋との神隠しで気になる「カオナシ」の正体は一体なんなのでしょうか?
どことなく可愛くもあり、不気味な存在であるカオナシ。小さい子にとっては結構恐怖なのかな?とも感じますね。
そして千尋になぜアレほど執着するのか?好きなのか?それとも違うことを求めている?ストジオジブリ・宮崎駿監督の作品!きっとカオナシにも深い意味があるように感じます!
千と千尋の神隠しのなぜの一つである「カオナシ」について今回は深掘り・考察していこうと思います。
カオナシの正体は?考察!
千と千尋の神隠しで印象的なキャラクターである「カオナシ」。その正体とは?カオナシの存在・正体について以下のように考察します。
- カオナシは神様?
- カオナシは寂しい人間?
- カオナシは人間の欲を表している?
一つずつ見ていきましょう。
1、カオナシは神様?
カオナシの風貌はなんとも言えないですよね。湯屋にはたくさんの神様が訪れています。その神様の風貌がバラエティーに富んでいます。ナマハゲ?のような神様からとりのような可愛い神様までいますよね。
八百万(やおよろず)の神様ですから納得の風貌ですよね。そんな中に、カオナシがいてもおかしくないですよね。
しかし、カオナシは他の神様と違い千尋が招いてくれたから湯屋に入ることができました。他の神様方は自ら湯屋に入って行った。
ということは、カオナシは神様方とは違う存在であるのではないでしょうか?
2、カオナシは悲しい人間?
カオナシは神様にも見えるし、人間に見えないことはありません。カオナシは「あぁ・・」とか、「うぅ・・」などの言葉をはっします。(青蛙など他者を取込む・飲み込むまで)
はっきりと自分の意志・言葉を相手に伝えるのが怖いのかな?と筆者は感じました。自分の言葉で何か辛い目にあったことがあり、その結果自分の言葉では話せなくなった。だから誰かを取込むことで、言葉を話せるようになったのかなと。他者を飲み込んで、「嫌だ。。さみしい・・」と言っているシーンでカオナシが孤独であることがわかりますよね。
まるで人間のようですよね。辛いことがありそれがトラウマとなりコミュニケーションをとることが難しくなる。千尋がカオナシを気遣ってくれたことがとても嬉しかったのかなと思います。
千尋にあえてよかったですよね。その後の千尋への対応はいかがなものか・・と思ってしまいますが。しかし千尋への行動も含め何処か人間らしいのかなとおもいます。最後は銭婆に居場所をもらえたので、更生したのでしょうね!
3、カオナシは人間の欲望を表しいる?
カオナシは自分の気持ちを表すセリフは以下だと思います。
- 寂しい
- 千欲しい
この言葉は、カオナシが兄役と青蛙などを飲み込みんだ後。カオナシが宴会場で大暴れして、千尋と話すときの会話に出てきました。
千尋にここ(湯屋)にはいない方が良いと言われ、帰った方が良いとさそされます。家族のことを聞かれて追い詰められていくカオナシが発した言葉です。
元の場所、誰にも必要とされてなく・誰もいない場所。そんなところへ帰るのはとても寂しいでしょう。1人では嫌だ・・という思いから「千欲しい」という言葉が出てきたのだと考察します。
カオナシは「誰かに必要とされたい」「誰かと一緒にいたい」と思っているのではないでしょうか?
生きていく上で、誰かに必要とされることはとても心の支えになりますよね。1人でも平気!という方もいるでしょうが、そう思えるのはなかなかの心の強さが必要なのだと筆者は感じます。仕事でもプライベートでも「誰かに必要とされる=認めてもらえる」ということは人間の欲・欲するものの一つなのではないでしょうか?
カオナシが千尋に執着する理由とは?好きだから?考察
カオナシが千に執着する理由とは?
カオナシはとても千に執着しているように感じます。カオナシの気持ちの変化を以下のように考察して見ました。
- 千尋に助けらえれて嬉しい
- →千尋の役に立ちたい
- →千尋の喜んだ顔が見たい→なんで千尋は喜ばないんだ?
- →怒りを感じる・自分のものにしたい!
- 見捨てないでくれた・・ついていこう
というような気持ちの流れを感じる筆者です。
カオナシにとって千尋とは初めて優しく接してくれた相手なのかな?と感じます。
だからこそ千尋に認めて欲しくて、必要として欲しくてあそこまで執着したのではないでしょうか?
千尋から認められたいものの、初めての気持ち・経験でコミュニケーションがうまく取れなかった。だから気持ちを押し付けてしまったのではないでしょうか?
湯屋で、カオナシは多くの者が「砂金」を欲しがっていることを知ります。今までカオナシのことを気にもとめなかった者たちが、砂金欲しさに優しくなります。そして近寄ってくる・・
一時はそれで満足したのでしょうが、もっともっととカオナシは欲望が大きくなっていく。それが肥大化していく体と食欲に表れているのではないでしょうか?
カオナシは千尋に感謝し優しくしたかったのではないでしょうか?千尋のピンチを救ったお湯の札。そして千尋にお礼を言われたことでもっと千尋を喜ばせたい!と思った。
だから千尋に砂金をあげた。しかしいらないと言われたカオナシ。砂金を上げる以外に千尋を喜ばすのはどうすればいいのだ。。。と絶望・怒りに変わって行ったのかな〜。かなり自分勝手に感じますが・・笑
カオナシは千・千尋のことが好き?
カオナシが千尋のことをとても意識している?のはわかります。そこに好きという気持ちはあるのでしょうか?
考察すると好きは好きでもLIKEなのでは?と感じます。
最終的にはカオナシは銭婆と一緒に暮らすことを受け入れます。
銭婆は「お前はここにいな私の手助けをしておくれ。」
出典:千と千尋の神隠し
カオナシは自分を必要だと言ってくれる相手・場所を見つけます。千尋にあったことで、見つけることのできた場所・未来。
カオナシが千・千尋に感じていたのは感謝を多く含むLikeなのでは?という考察になりました。
宮崎駿監督がカオナシについて語っていた!?
宮崎駿監督はカオナシについてインタビューにも答えていました。「千と千尋の神隠し」が2001年7月に公開された直後に、フランスの映画雑誌「POSITIF」(2002年4月号)に掲載されたのが以下のコメントです。
「みんなの中にカオナシがいる」とは宮崎駿本人の言葉。
#カオナシ とは一体何者なのでしょうか。#宮崎駿 監督曰く「カオナシなんて周りにいっぱいいますよ。(中略)ああいう誰かとくっつきたいけど自分がないっていう人、どこにでもいると思いますけどね」とのこと。自分というものを持たず、出会うもの、人によって変化するのがカオナシという存在なのです pic.twitter.com/5P9oCMyPUS
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 16, 2019
宮崎駿監督にとってカオナシとは、自分の信念を持っておらず意見を言えない大人なのかなと感じました。
子供たちは自分の欲しいもの・希望・どうなりたいかをしっかりと持っている。
大人より自分に正直なのではないでしょうか?世間体を気にするというのは年齢を重ねると共に出てくる感覚・感情なのではないでしょうか?
人は幸せを感じるのは、他人にどう見られるかではなく自分が本当に欲しいもの・どうなりたいか・何をやりたいかをしっかりと見据えそれを叶えた時。ということを宮崎駿監督は言っているのではないかと思います。
今一度、世間体ではなく自分自身の幸せを考えてみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
不思議な容姿・存在であるカオナシ。
人間の欲を体現しているような描写もあります。寂しいというのはなかなか辛いことですよね。
カオナシが千尋にあって起こした騒動はかなり大変なものでしたが、そこから得たものが2人にはあったと思います。
千尋同様、カオナシもこれから幸せな生活を送れますように!
ここまでお読みいただきありがとうございました。